タロットに“意味”を求めるあなたへ
タロットカードを手にしたとき、多くの人が最初に感じるのは「絵が意味深だけど、何をどう読めばいいの?」という戸惑いかもしれません。
特に、22枚の大アルカナは、象徴的なビジュアルと物語性を秘めており、ひと目見ただけでは掴みきれない印象を与えることもあるでしょう。
けれど、怖がることはありません。
タロットの世界は、あなた自身の内面と対話するための“星導(せいどう)=魂のコンパス”です。
解釈の正しさを追い求めるよりも、“自分に何を語りかけているか”に耳を澄ませることが、もっとも大切な姿勢なのです。
この記事では、初心者の方が迷わずにカードの意味を捉え、星導に沿ってリーディングできるよう、以下の内容を丁寧に解説していきます:
- 大アルカナ22枚それぞれの意味とキーワード
- リーディングの流れ・初心者向けステップ
- 意味に振り回されない“感じる読み方”のコツ


さあ、大アルカナ22枚の宇宙を、あなた自身の直感で旅してみましょう。
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大アルカナ22枚の意味と、リーディングの導線
タロットカードの核とも言えるのが、大アルカナ(Major Arcana)の22枚です。
これは“魂の成長ストーリー”とも言われ、人間の人生で出会うテーマを象徴的に描いたものです。
以下に、各カードの意味とキーワードを、リーディングしやすいように一覧にまとめました。
“逆位置”は参考程度でOK。まずは“正位置”を深く感じ取ることから始めましょう。
📌 0 愚者:自由・無垢・はじまり/予測不能・衝動
📌 1 魔術師:創造・意志・スタート/可能性・集中
📌 2 女教皇:直感・静寂・秘密/内省・潜在意識
📌 3 女帝:豊かさ・育み・愛/感性・繁栄
📌 4 皇帝:秩序・行動・父性/権威・支配
📌 5 教皇:導き・道徳・精神性/伝統・規範
📌 6 恋人:選択・愛・価値観/誘惑・結合
📌 7 戦車:勝利・推進力・決断/前進・自己主張
📌 8 力:勇気・自制・やさしさ/精神的強さ
📌 9 隠者:探求・孤独・知恵/内観・一人の時間
📌 10 運命の輪:転機・流れ・偶然性/変化の波
📌 11 正義:バランス・判断・公平/真実・選択
📌 12 吊るされた男:忍耐・視点転換/犠牲・保留
📌 13 死神:終わりと再生/手放し・変容
📌 14 節制:調和・バランス/融合・節度
📌 15 悪魔:執着・欲望・依存/影の自己
📌 16 塔:崩壊・衝撃・解放/目覚め・崩れる前提
📌 17 星:希望・癒し・導き/未来志向・回復
📌 18 月:混乱・不安・幻想/深層心理・夢
📌 19 太陽:喜び・成功・祝福/自信・明快さ
📌 20 審判:覚醒・再評価・転生/過去との統合
📌 21 世界:完成・統合・到達/全体性・旅の終わり
初心者向けリーディングの流れ
大アルカナを読むとき、最初に覚えておくべきは「流れ」です。以下のステップを参考に、自分のペースでカードと対話していきましょう。
- 1. テーマを明確にする(例:恋愛、転職、人間関係)
- 2. カードを1枚〜3枚引く(シンプルなスプレッドでOK)
- 3. 絵柄・キーワード・今の自分との関係を感じる
- 4. 必要ならキーワードを確認する(“メモ参照”程度に)
- 5. 最後に「今の自分が一番伝えたいことは?」と問い直す
リーディングは「正解を探すこと」ではありません。
あなたがいま抱えているものに、カードが何を映しているか——それを“受けとる”時間なのです。


次の章では、タロットがどこから来たのか、そして“読む”ことの本質にまつわる、ちょっと幻想的なエピソードをご紹介します。
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星導の書庫と忘れられた22の扉

そこは、誰の記憶にも存在しないはずの場所。
けれど、どこか懐かしい感覚を呼び起こす空間——“星導の書庫”。
この書庫には、22の鍵付きの扉が並んでいる。
それぞれの扉には、タロット大アルカナの象徴が浮かび上がっていた。
「愚者」は、扉のない壁の前に立っていた。
「世界」は、円形の光で囲まれた最後の部屋に続いていた。
古の伝承によれば、これらの22の扉は、人の魂が転生を繰り返すたびに通る“運命の通路”であるという。
一枚一枚のカードは、“人生の試練”や“気づき”を象徴し、目に見えぬ学びの儀式を象徴していた。
旅人は順番に扉を開けてゆく。
そのたびに、ひとつの感情が現れては消え、一場面の記憶が浮かんでは散っていった。
「愚者」の前では、無邪気だった子どもの頃を思い出した。
「力」の扉では、恐れずに言葉を選んだあの日の勇気が蘇った。
書庫にある“すべての扉”を開けたとき、旅人の足元にだけ、ひとつのカードが静かに現れた。
——それが、今あなたが引いた1枚なのかもしれない。

扉の先に何があるかは、あなたの内なる星がきっと知っています。

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タロットの歴史と信頼できる背景
タロット大アルカナの意味を学ぶ前に、その起源と歴史的背景を知ることは、理解と実践に深みを与えてくれます。以下は、実在する信頼性の高い情報に基づいたタロットの歴史の概要です。
1. 起源は15世紀イタリアの貴族の娯楽
タロットカードはもともと、15世紀の北イタリア—例えばヴェネツィアやミラノ、ウルビーノ周辺—で貴族層の間で遊ばれていた“トリオンフィ”と呼ばれるゲーム用カードでした。これが今日の大アルカナを含む78枚構成のタロットデッキへと発展しました。
2. ビスコンティ=スフォルツァ家のカードが現存最古
現存する最古のタロットデッキとして知られているのが、15世紀中頃にミラノ公により制作された「ビスコンティ=スフォルツァ・タロット」です。これらは蒐集コレクションや博物館に所蔵されており、タロットの視覚的・構造的な起源を理解する上で重要な史料です。
3. ディバインツールとしてのタロットへの変容
タロットのカードゲームとしての役割は、18世紀以降フランスなどで占いや神秘主義的な用途へと変容しました。代表的な人物としてアンリ・ド・ジュベラン(Court de Gébelin)やエティエイユ(Etteilla)が古代エジプトやカバラとの結びつきを唱え、占いの道具としてのタロット解釈を広めました。
4. ライダー・ウェイト・スミス版の影響
20世紀初頭にアーサー・エドワード・ウェイト(A. E. Waite)が制作し、パメラ・コールマン・スミスが描いたライダー・ウェイト・スミス版は、22枚すべてに鮮明なイラストを施した最初のデッキでした。このスタイルは現代のタロットデッキに多大な影響を及ぼしています。


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あなたの中にある“星導”とともに
タロット大アルカナは、ただの22枚のカードではありません。
それは、あなた自身の内面に響く“魂の地図”であり、選択のたびにそっと差し出される、心の言葉でもあります。
📌 意味を“覚える”のではなく、“感じる”ことから始める
📌 カードはあなたの問いに寄り添う“鏡”である
📌 答えを外に探さず、自分の感覚を信じてみる
迷ったとき、問いかけたいとき、心を整えたいとき——
タロットは、あなたの“内なる星導”に戻るための静かな通路となってくれます。

その声を、どうかやさしく、受け取ってあげてくださいね。

オレの人生にもコンパス、あるって思えたからさ。